期待している「抗体検査」と「抗原検査」

新型コロナウイルス(COVID-19)に感染しているのかを調べる「PCR検査」。2020年4月29日時点でもまだ足りていない。検査も足りていなければ、陽性になった人を隔離する場所も足りないし、重度の患者を受け入れる病院も足りていない。

とにかく、感染拡大を防ぎたい。そのため、外出自粛なのだ。

PCR検査も大事だが、同様に広まって欲しいと望んでいるのが「抗体検査」だ。

これまでも抗体検査の記事を見つけては読み漁っていたものの、ネットの渦に飲み込まれて見つけ出しにくくなっているので、最新情報を見つけたらここにまとめる。

今日見つけたのはこちらの記事。

Antigen testing could be a faster, cheaper way to diagnose covid-19

検査時感染しているかを調べるPCR検査とは違い、過去感染したことがあるのか、抗体を持っているのか調べる検査。

こちらも重要だよなと思って調べている。

※4/29時点では、複数回感染する可能性も捨てきれてはいないが

新型コロナウイルスの「抗体検査、抗原検査」とは

上記記事によると、抗体検査と抗原検査という言葉が出てくる。

PCR検査はウイルスの遺伝物質が体内にあるかを調べるのに対し、抗体検査は人間が持つウイルスへの抗体を検出するもの。さらに抗原検査は感染のマーカーとして、ウイルス表面のタンパク質の断片を検出する

※抗原は免疫反応を引き起こす病原体の一部

やばいよくわからなくなってきた。

PCR検査とは

PCR検査は、ポリメラーゼ連鎖反応の略で、綿棒を鼻腔に入れて摂取した検体に含まれる遺伝物質を数百万倍から数十億倍に増やして、新型コロナウイルス感染症の感染を示す「マーカー」を検出する方法。

PCR検査はウイルスの遺伝物質があるか探す。

現時点でもっとも正確だが、完璧ではなく、訓練を受けた人が必要になるデメリットあり。あと結果が出るまでに4時間から数日かかる。

抗体検査とは

新型コロナウイルス感染症における、抗体検査。

こちらの記事によると、抗体検査は患者の血清を分析する。

血液から血球と血液凝固分子を取り除いた液体部分(血清)に含まれる抗体を調べる。

具体的には、新型コロナウイルスの表面に突き出た大きなスパイク状のタンパク質に反応して作られた抗体を、酸素結合検疫吸着測定法(ELISA)などの方法で探す。

 

抗原検査とは

抗原検査は、ウイルス表面ンボタンパク質の断片を検出する。この記事には、具体的な方法は書かれていなかった。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2020042800879

こちらの記事によると、「富士レビオ」が申請した抗原検査が、2020年5月にも厚生労働省から承認される可能性があるようだ。

富士レビオの抗原検査の方法は、PCR検査同様、鼻の奥などで採取した検体で調べるようだ。

抗原検査の目的は、PCR検査同様「検体取得時に新型コロナウイルス感染症に感染しているか否か」。

新型コロナウイルス(COVID-19)の表面の突起(スパイク)はそれだけで検出できるほど大きいため、PCR検査のように何千倍にコピーする必要がない。

その分、PCR検査より早く結果が分かる仕組みのようだ。

PCR検査の穴

見出しが怖いですが、この記事を読むと、今多く実施され信頼を得られているPCR検査が万能ではないことがわかる。冒頭にも書いたが、現状もっとも信頼できる方法だが、完璧ではない。

ニュースサイトを見ていても、「陰性」判定の翌日に死亡した事例がある。この記事にも書かれている通り、PCR検査の結果が出るまでには何日もかかり、時間を追って感染の進行を追跡できないのだ。

検査が信用できないならどうしようもないじゃないか。

そう。だからこそ今は、感染しないように外出を自粛するのが自分を守る一番の方法なのだ(もちろん、その理由は検査だけではない)。

抗原検査の穴

PCR検査より短時間(その場で結果がわかる)で検査も容易な抗原検査。早く普及してほしいところだが、こちらにも穴がある。

こちらの記事によると、連鎖球菌などの「細菌系」の病気なら、抗原検査は有効だが、新型コロナウイルス(COVID-19)は「呼吸器系」ウイルスのため、うまくいかない可能性があるとのことだ。

呼吸器疾患は呼吸器系で怒るので、鼻腔の奥深くから検体を採取するのが理想とされる。ただ、この部位にウイルスが存在するかは「人によって異なる」というのだ。

ただし、この懸念も確実ではない。この懸念点をあげているピッツバーグ大学医療センターの臨床研究室のアラン・ウェルズ医療部長は「私の考えが間違っていればいいと考えます」と述べている。

抗原検査で90%以上の感度を達成したとする研究者グループもいるそうなので、抗原検査には期待したい(インフルエンザの抗原検査の感度は成人で50%ほどとのことなのでかなり好感度ということだろう)。

胸部X線画で調べる方法も

こちらの記事によると、肺の影を調べることで新型コロナウイルス感染症に感染しているか調べることができるらしい。

新型コロナウイルス感染症患者には特徴的な「肺の影」があるとのことだ。すりガラスのような影のある画像のくすんだ部分や、肺の側面の濃い部分といった特徴だ。

さらにその一時判定を、機械学習させたAIに判断させる試みもあるようだ。

それでも期待したいのは「抗体検査」

熱が上がる。咳が出る。食べ物の味覚がわからない。

新型コロナウイルス感染症の症状と言われる状態になると、不安でたまらないだろう。

どんな病気でも、お医者様に見てもらって「原因がわかる」だけで不安が解消して心が穏やかになるものだ。

それが、「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の疑いがある」症状なら、なおさらだ。早く検査してもらって安心したいと思う気持ちもわかる。

だから、日本でも抗原検査ができるようになるのは素晴らしいことだと思う。間違いない。

でも、期待するのは抗体検査もだ。新型コロナウイルス感染症は、感染しても発症しない人もいることがわかっている。抗体を持っているのかどうかでも安心できる。そのくらい怖い感染症なのだ。

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